やるせない物語で読むのが辛いのだが、真保裕一の書き手としての技量が、本に向かわせる。そしていつの間にか読み終えている自分がいる。
けんかのアクシデントで人を殺してしまった主人公が刑務所から仮出所したところから話は始まる。
殺してしまったけんか相手から、売られたけんかなのに何故自分が刑務所に入らなくてはならないのか?死んでしまえば過去の過ちは精算されるのか?と言った不満を常に自問自答しながら主人公は仮出所の生活を始める。
保護観察の方の支援により、就職先を斡旋され働き始めるが自分の過去を中傷するビラが撒かれ周囲との関係が悪化する……
この作者の作品はほとんど読んでいるが、情景を脳裏に浮かばせる技術とスピード感は他に類を見ない。本を読んでいるという感覚をわすれ物語の中に引き込まれる。
冒険物などが好きな人にはおすすめだ。
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